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源氏物語・宇治十帖の世界セミナー
20243年6月15日(土)13:30~15:30
昇苑くみひも・抹茶ロースタリー/ロサンゼルス・カルチュラルニュース共催
@中宇治・抹茶ロースタリーで3回に渡って開催
ロサンゼルスでリアルタイム配信

第一回目のセミナー冒頭約3分
講師は、60年近く「源氏物語」の教鞭をとってきた世羅 博昭氏(せら・ひろあき、鳴門教育大学・四国大学名誉教授、教育学博士)。日本国内の高校、大学、海外での源氏物語講義の実績も厚く直近では2020年から現在まで「宇治十帖セミナー」を毎月オンラインで米国在住者対象に行っている。

~宇治が舞台になった理由を探る~


 私たちの街、宇治が舞台の宇治十帖を三回にわたって読みどいていきます。
 第一回「平安京から宇治へ」(4月20日開催済)は、平安京に住んでいた登場人物たちがなぜ宇治の地で生活することを余儀なくされたのかを読み解きました。
 第二回「恋のトライアングル」(5月25日開催済)は、源氏の子孫の二人の貴公子薫と匂宮、八宮の三人の娘大君、中君、浮舟が宇治を舞台に織りなす恋の駆け引きと進展を彼らが交わした和歌の解釈などを交えて紐どきました。
 第三回「新しい生き方を求めて」では、恋の板挟みに悩み、宇治川に入水し救われたヒロイン浮舟はその後自分の生き方を模索します。女性の生き方を問うことは当時の文学作品では極めてユニークな視点とされています。また、本セミナーの総括として、何故、紫式部が宇治の地を源氏物語に選んだかの核心に迫ります。

画像は「源氏絵鑑帖」(左:巻45橋姫、中:巻47総角、右:巻51浮舟)共に宇治市源氏物語ミュージアム提供

セミナーの経過と今後の日程

  • 4月20日 13:30~15:30 第一回目「平安京から宇治へ」【完了】
    平安京に住んでいた登場人物たちがなぜ宇治の地で生活することを余儀なくされたのかを読み解く。(要旨は以下をご覧ください)
    スイーツ:特製わらび餅、ロースト抹茶餡もなか
  • 5月25日 13:30~15:30 第二回目「恋のトライアングル」【完了】(要旨は以下をご覧ください)
    源氏の子孫の二人の貴公子薫と匂宮、八宮の三人の娘大君、中君、浮舟が宇治を舞台に織りなす恋の駆け引きと進展を彼らが交わした和歌の解釈などを交えて紐どきます。(あらすじは以下をご覧ください)
    スイーツ:求肥でロースト抹茶餡を包んだ「茶づつみ(オリジナル)」、ロースト抹茶ようかん(ロースト抹茶塩付)
  • 6月15日 13:30~15:30 第三回目「新し生き方を求めて」【参加者募集中】
    恋の板挟みに悩み、宇治川に入水し救われたヒロイン浮舟はその後自分の生き方を模索します。
    またこの回では、本セミナーの総括として「何故、紫式部が宇治の地を選んだか」という核心にせまります。
    スイーツ:ロースト抹茶特製ティラミス、ロースト抹茶チョコレートカールス(予定)
★第二回目、第三回目の参加者に、前回・前々回のアーカイブ動画リンクと保存版テキスト(系図、図表、年表、データなど含む)をご提供いたします。各セミナー会場にてお申込みください。
★13:00よりドリンク・スイーツタイムを始めますので、お早めにお越しください。
第1回「源氏物語・宇治十帖の世界」要旨 2024年4月20日(土)開催
【源氏物語はなぜすごいか】
源氏物語は紫式部が1001年から1010年までの間に執筆したとみられている。紫式部日記によれば、藤原道長の娘彰子のもとに出仕した1005年には成立したことが書かれている。源氏物語は帝王4代、70年に及ぶ物語である。400字詰め原稿用紙にして3,000枚、登場人物約450人、個性を持った主要な人物は50人にのぼる。世界30ヶ国で翻訳されている。
源氏物語の展開方法は日本の説話のモチーフを継承しており、「貴氏流離譚」と「形代」の2つである。「貴氏流離譚」とは尊い家柄に生まれた高貴な人が、故郷から遠く離れた他郷をさすらうが、その後昇進し権力を獲得して栄華を極めるというものである。「形代」とは、身代わりのことで、宇治十帖で亡き大君に似た姫君に恋したり、源氏が亡き母にそっくりな藤壺に憧れる様が描かれている。このような日本の説話文学の展開をとっていながら源氏物語の評価は抜きん出ている。桑原武夫氏は文学の3要素として1)面白さ 2)新規性 3)人生と向き合う作者の真摯な姿勢、をあげている。源氏物語はこの3つの要素を揃えている。

【宇治十帖の4部構成】
宇治十帖の主人公は光源氏の息子薫である。薫は源氏と正妻の女三の宮との間に生まれたとされているが、実の父親は女三の宮の愛人の柏木である。薫の物語は14歳の時の「42巻匂宮」から始まり、29歳の「54巻夢の浮橋」まで4つに区分される。
  1. 「薫と八宮の物語」舞台:京都、宇治(42巻「匂宮」から45巻「橋姫」まで)
    45―54巻の10巻を宇治十帖とする説もあるが薫が主人公として登場するのは42巻からである。この巻の薫は14歳、天皇、中宮の寵愛を受け成長するが自分の出生に対する疑問を抱きながら生きている。一方、桐壺帝の第八皇子八宮は政略闘争に負け、夫人の逝去、火災に遭い宇治に移って仏道に励みながらひっそりと暮らしながらも「俗聖」と言われるほどの習熟に達していた。「そのころ世に数まへられたまはぬ古宮おはしけり(世間から数に数えられていない過去の人となった皇子がいらした)」の一文で橋姫の巻は始まる。八宮と知り合った薫は仏道を学ぶため宇治を訪ねるようになる。
  2. 「薫と大君の物語」舞台:宇治
    薫は、八宮の娘、大君と中君を覗き見し大君に惹かれる。薫に同行して宇治を訪れた匂宮は妹の中君に興味を抱く。八宮が亡くなり、薫は大君に求婚するが断られる。出家を求めていた大君が亡くなる。
  3. 「薫、中君、匂宮の物語」舞台:京都
    中君は匂宮と結婚し京都の二条院に住むようになる。大君が忘れられない薫が訪ねてくるので中君は困惑する。中君は二条院に異母妹の浮舟を匿っており、大君に似た浮舟を見た薫は心惹かれる。匂宮も浮舟を垣間見て興味を抱く。
  4. 「薫、匂宮、浮舟の物語」舞台:宇治、京都の山里
    薫は浮舟を連れ出し宇治の八宮に住まわせるが近く京に迎えたいと伝える。匂宮は宇治の浮舟を訪ね求愛する。薫が4月10日に浮舟を京に迎えると伝え、それを聞いた匂宮は三月末に迎えにくるという。板挟みに悩んだ浮舟は宇治川身を投げる。横川の僧都、小野の妹尼に助けられた浮舟は京都の山里で暮らし出家する。探し当てた薫からの使いにも会うのを拒む。日本古来の物語に三角関係を扱ったものがある。どれも悩む女性の自殺という悲劇のエンディングである。しかし、宇治十帖は自殺未遂の浮舟のその後の生き様を書いた。極めてユニークな作品といえよう。
【源氏物語の時代の宇治】
  1. 交通の要所:宇治は646年に宇治橋がかけられてから京都、奈良、滋賀を結ぶ水陸交通の要所に位置づけられてきた。
  2. 風光明媚な土地:宇治川は昔は馬も乗り入れられない急流であった。街の中央部を水音高く流れる川、盆地特有の川霧が特徴であった。
  3. 貴族の別荘:貴族の別荘地として栄えた。「平等院鳳凰堂」は藤原頼道がこの世に極楽浄土を現出しようと建立された。
  4. 世捨て人の住む土地:「わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢやまと人はいふなり」六歌仙の喜撰法師の和歌。
  5. 古典文学に取り上げられている土地:宇治川や川霧を題材にした和歌が柿本人麻呂、藤原定頼、藤原公実などによって作られた。
    • もののふの八十宇治河の網代木にいさよふ波のゆくへ知らずも 柿本人麻呂
    • 朝ぼらけ 宇治の川霧 絶え絶えにあらはれわたる瀬々の網代木 権中納言定頼
    • 麓をば宇治の川霧たちこめて雲ゐにみゆる朝日山かな 藤原公実
  6. 宇治十帖のモデル
    • 八宮:モデルは応神天皇の時代に宇治を舞台に活躍した菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)だとされる。
      八宮は桐壺帝の第八皇子で光源氏の異母兄弟である。夫人も高貴な家の出であった。
      源氏が後見人していた当時の東宮(後の冷泉帝)追い落としの対抗馬として担ぎ上げられたが、光源氏が明石から京に戻ってきた後は失脚する。政略闘争に負けた上、夫人の逝去、京都の邸宅の火災にあい住まいを失ったため二人の娘を連れて宇治の山荘に移り住んできた。宇治で修行する「阿闍梨」に師事し仏道に励む隠遁生活を送っている。
    • 八宮の山荘:宇治上神社、宇治神社
    • 夕霧の山荘:平等院
    • 橘の小島:橘島
第2回「源氏物語・宇治十帖の世界:恋のトライアングル」要旨 2024年5月25日(土)開催
【1回目のテーマ、京都から宇治に舞台が移された理由と背景振り返る】
  1. 八宮は二人の姫を連れて宇治の山荘に移り住むこととなった。桐壺帝の第八皇子で高貴な人であるが、政争に巻き込まれて失脚し、妻の死、京都の宮邸の火事で宇治への移転を余儀なくされた。八宮は宇治の山寺の阿闍梨に師事し仏教修行に打ち込んでいる。
  2. 光源氏の息子の薫は頻繁に宇治を訪問するようになる。薫は源氏と正妻女三宮の息子とされているが実は不義の子である。薫は自分の出生に疑問を感じ自分の存在の根本を問い続けている。仏教に興味を持ち宇治の八宮を頻繁に訪れるようになる。
    〔薫の和歌〕
    「おぼつかな誰に問いましいかにして初めも果ても知らぬ我が身ぞ」
    意味:気がかりなことよ、誰に問うたらいいのか、どうして初め(出生)も終わり(将来)も分からない我が身なのか。
【複数の恋トライアングルの展開】
  1. 主人公の2人の貴公子、薫と匂宮が対比的に描かれている。薫は「誠実」、匂宮は「好色、現実的」な性格である。
  2. 薫は宇治の八宮邸を頻繁に訪れており匂宮が同行することもあった。薫は八宮邸に仕える老女房から自分の出生の真実を知らされる。体調を壊した八宮は二人の姫君の将来を薫に託して逝去する。薫は姉の大君に強く惹かれていた。何回か気持ちを告白するが受け入れてもらえないうちに大君は亡くなってしまう。匂宮は妹の中君が気に入り結婚することになる。
  3. 2種類の恋のトライアングル
    • 1番目のトライアングル:中君・匂宮夫妻と薫
      中君は匂宮と結婚し京都に住むようになる。大君を忘れられない薫は中君に惹かれており寝室に忍ぶ込むなどして中君を困惑させる。
    • 2番目のトライアングル:薫・匂宮と浮舟
      中君の腹違いの妹浮舟が上京匂宮邸に滞在する。浮舟を垣間見た匂宮、薫とも浮舟に興味を持つ。薫は浮舟を八宮邸に移り住まわせる。匂宮は宇治を訪ね浮舟と密会を重ねる。
  4. 薫と匂宮の板挟みになった浮舟は死を決意し宇治川に身を投げるが、通りかかった横川の僧都一行に救われ、その後はその一行と仏道を修得する生活を送る。
  5. 日本古来の説話の多くは、恋の板挟みになった女性が自殺する場面で物語が終わっている。救われた浮舟のその後の生活を描いたことは宇治十帖の新しい試みである。

セミナー会場



住所:京都府宇治市宇治妙楽146番地
電話:0774-34-1125
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